益虫「アシダカグモ」と暮らす、その生態と共存の日々

スポンサーリンク




私がこの家に引っ越してきたのは夏。
そう、アシダカグモの季節。

田舎で暮らしている方ならご存知「アシダカグモ」、通称アシダカ軍曹。

アシダカグモ(脚高蜘蛛、学名:Heteropoda venatoria)は、アシダカグモ科に属するクモの一種。
人家に棲息する大型のクモとしてよく知られている。徘徊性で、網を張らず、歩き回って獲物を捕らえる。
ゴキブリなど家の中の衛生害虫を食べる天敵としては益虫だが、姿を苦手とする人にとっては不快害虫でもある。
引用:Wikipedia

そう、アシダカグモはその見た目の恐ろしさと違い、ゴキブリを食べてくれるということで全国にファンのいる超人気の益虫でもあるのです!

最初に見たときは、ギョッとしましたよ・・。
「とうとう来た、田舎暮らし・・・」という気持ちを確実に盛り上げてくれます。
移住者の先輩は、初めてアシダカ軍曹を見たとき「タランチュラが出た!!!」と思って恐怖でめったうちにしてしまったそうです。(笑)
わかる気もしますが、どちらかというとめったうちにする勇気の方が私にはないかも・・。

アシダカグモの生態

ashidakagumo1

かなり大型のクモで、メスは体調20~30mm、オスでも10~25mm、そこに長い足がついているので、見ためのインパクトは相当です。
体はオスは全体的に細みですが、メスは全体的に丸く足も太いのでインパクトもメスの方がありますね。

アシダカグモの平均寿命は、オスが3~5年、メスが5~7年で、メスは夏の時期に2回産卵を行うそうです。
私、目撃しちゃったんですよね・・メスが卵を抱えている姿。(泣)

アシダカグモの産卵

ashidakagumo2

正確には「卵を糸で包んだ卵嚢(らんのう)」なんですけど、子グモが孵化するまでメスはこれを持ち歩いてるんですよ。
これ、目撃したのがベランダだったから落ち着いていられたものの、家の中でみつけたらさすがに落ち着かない・・。
いったいここからどんだけの数の子グモたちが・・まさに「クモの子を散らす」みたいなことになるのだろうか。

でも一応、子グモは生まれると風通しのよい場所へ移動して飛散するらしいので、まあ、全員家に残るということでもなさそうですけどね。

アシダカグモの脱皮

そしてアシダカグモは脱皮を繰り返しながら大きくなっていくんですが、その脱皮した皮がかなりきれいにそのままの形で残ります。
なのでときどき「アシダカグモが死んでる!」と思うと、脱皮した皮だったりします。

アシダカ軍曹と暮らす

アシダカグモの出没季節は6月~8月。
それ以外の季節はタンスの裏や天井裏、床下など温度の変化が少ない場所で冬眠して過ごしているそうです。

私はしばらく空き家だった家に引っ越したせいか、最初の夏はアシダカ軍曹の方も私との距離感をつかめずにいました。(多分)
お互いにとまどいを隠せない、夏。

アシダカ軍曹は、夜になると現れます。

部屋を仕切るふすまの影から、ヌッと顔を出してまず様子をうかがってきます。
しばし様子を確認した後、部屋に侵入してきます。
で、壁づたいにウロウロしてくれればいいんですが、いきなり部屋の真ん中を横切ったり、私に向かってきたりしてたんですよ、最初は!

「おいおいおい、同居は距離感が大事なんだよ!!!」

アシダカ軍曹に向かって何度叫んだことか。

シャワーを浴びていたときに、なんか頭がごそごそする・・・まさか!と思って払い落すと、やっぱりアシダカ軍曹で、そのままシャワーの勢いに流されてしまい溺れ死んでしまったこともありました・・。

他の人に聞くと、アシダカ軍曹が人に向かってくるとかないみたいなんで、最初はまだ人に慣れていなくて距離感がつかめなかったんだと、思ってます。
最近はそういうこともなくなりましたしね。

最初の夏は「害がない」とはわかっていても、強烈に存在感のあるその容姿と大きさで、出てくると落ち着かなくてなかなか慣れず、なんとか部屋から出ていってくれないか・・と思ったものでしたが、慣れるんですよね、人間って。

今はアシダカ軍曹が現れても、「もうそんな季節か・・」くらいになってきました。

こんな暮らし、東京にいたときは想像もできなかった。
巨大グモがいる部屋でくつろいでいるのが普通、なんて状況。(笑)

本当にゴキブリが好物なの?

ashidakagumo4

さて、これ結構大事なポイントです。
だってこれによってアシダカ軍曹は超人気の益虫で、購入しようとしている人までいるんですから。(笑)

実は私、アシダカ軍曹とゴキブリ(以下G)が対峙する瞬間を今年2回、目撃しました。
舞台となったのは2回ともキッチンの広く白い壁。
いやでも目に入るわけです。

相手は、その頃とても悩まされていた巨大Gだったので、アシダカ軍曹を熱狂的に応援。

一戦目:ちょっと小型のアシダカ軍曹vsデカイGの戦い

睨みあっている。お互い動かない。行くのか!行くのか、アシダカ軍曹!
軍曹の存在に気付かないのか、Gが軍曹に近づいている!
気づいた!
そそくさと逃げるG。
追いかけない・・そのまま撤退するアシダカ軍曹。

えええ、まじで!?
アシダカグモはじっと動かずに近くを通ったGを襲うと聞いていたので、それでなのか!?

二戦目:前回より体の大きいアシダカ軍曹vsデカイGの戦い

また数日後、同じ舞台で睨みあうアシダカ軍曹とGを発見。
今度は前回よりも体の大きいアシダカ軍曹ではないか!
これは期待できる!
この巨大Gには悩まされ続けていたので、期待も膨らみます!

観察すること数分。
行った!アシダカ軍曹がすごい速さでGに向かっていった!!!
とまどうG!
距離は縮まった・・・どうするアシダカ軍曹!

また行った!Gに接触、また接触!!!おおおおお!!!

しかし・・逃げるG。
またしても追いかけないアシダカ軍曹。

・・ここで捕獲成功したら、それこそ君の勝利を声高らかにSNSで発信したのに!
そして私のアシダカ軍曹へのリスペクトはゆるぎないものとなったのに。

やっぱり体格の差か。
今回のGはかなりデカかったから・・。

というわけで、残念ながらアシダカ軍曹がGを捕らえる瞬間は目撃することはできなかったけど、でも夏の夜の戦いを2回も見ることができたので、まあいっか。(笑)

結局Gは自分で退治したよ、アシダカ軍曹。

嫌みじゃないですけど。

きっと、影で小さなGを捕獲してくれていると信じているよ。

アシダカ軍曹に失望した、そんなあなたにはこちらをオススメします。

関連記事

ジョロウグモ、その生態は残酷な愛の物語だった

大人の田舎暮らし自由研究「ムカデを知ろう!生態と対策」

川遊びに行くその前に、知っておきたいアブの習性と対策

四方山商店をフォローして更新情報をチェックしよう!

▼ Facebookでフォロー(いいね!クリック)


▼ Twitterでフォロー


スポンサーリンク