ジョロウグモ、その生態は残酷な愛の物語だった

スポンサーリンク




田舎暮らしとクモ、切っても切り離せません。
その中でも「アシダカグモ」と「ジョロウグモ」はその存在感からいっても二大巨頭と言えるでしょう。

室内で自由に動きまわる「アシダカグモ」に対し、「ジョロウグモ」は主に家の軒先に居をかまえます。

ジョロウグモの名前の由来

ジョロウグモは漢字で書くと「女郎蜘蛛」なので、当然名前の由来は遊郭の女郎からきていると思っていましたが、もうひとつ、大奥の高級女官であった上臈(じょうろう)からきているという説もありました。
いずれにしても、華やかで艶やか、男たちをある意味食い物にするような、そんな生態に由来していると思われます。

ジョロウグモはとにかく目立つ

ジョロウグモはとにかくデカくて派手なので、見慣れないとギョッとします。
9月になると、そんなジョロウグモたちが家の軒先にこぞって大きなクモの巣をはりはじめます。
上の写真は産卵前のジョロウグモ。
おなかがかなり大きくなっています。

我が家のベランダも、秋になるとジョロウグモの大きな巣が軒下にズラリ。
クモの巣の壁ができあがります。

しかしここが恐ろしいところなんですが、田舎暮らしも長くなってくると慣れちゃうんですよね。
普通に放置していたら、おとなりさんから「クモの巣をそのままにしとくと貧乏になるき、早く取った方がえいがよ!」と言われ、貧乏にはなりたくないのでやむなく棒をブンブン振り回してクモの巣を除去。

しかし・・午後にはまた新しいクモの巣が出来上がってるではないですか。

このジョロウグモの糸、実はかなりしっかりしています。
そして黄色いんです。
「ジョロウグモの巣は金色に輝く」とも言われていて、確かに巻きとってみるとよくわかります。
糸を巻き取った棒はまるで黄色い糸を巻いたようになります。

しかしこれが厄介なんですよ、巻きとった糸を取り除く作業が一筋縄にはいかないんです。
かなり強度があるので、ふわっとは取れないんですよね。
なのでジョロウグモの巣を棒などで巻きとって除去する場合、そのまま捨てられる棒を使うことをおすすめします。

さて、そんなジョロウグモの生態について調べていると・・
予想外の、残酷で悲しい愛の物語のようなクモであることがわかりました。
結構、胸にきます。

ジョロウグモ、残酷な愛の物語

大きいクモという印象のあるジョロウグモですが、大きいのはメス。
オスはメスの半分以下の大きさしかありません。
実際に見ると弱々しく細い体格のせいもあって、オスはもっと小さく見えます。
もはや同じ種類のクモとは思えないほどです。

上の写真にはメスとオスが写っているんですが、わかりますか?
手前に写っている黄色いクモがメス、その後方に写っているのがオスです。
ちなみにさらに後方にボケて黒く写っているのもオスです。
2匹のオスが、メスとの交配の機会をうかがっているんですね。

実はこのジョロウグモのメスは、目が悪いんです。
なので巣にかかったものは何でも食べてしまう。

それはオスに対しても同じ。
目が見えないので、交配のために近づいたオスも気づかずに食べてしまうのです。

なのでオスは必死です、まさに命がけです。
メスが捕食している最中などに気づかれないように近づきます。
ジョロウグモの巣をよく見てみると必ず数匹の小さいクモが少し離れたところにいるので、ぜひ今度確認してみてください。

そしてまたメスも、産卵を終えてしばらくすると死んでしまう。
春に孵化してから、7カ月程度の命です。

これって、「悪魔(デイモス)の花嫁」とかに出てきそうな話じゃないですか?
ホラーなんだけど切ない、みたいな。
(って、古すぎてわからない人も多いと思いますが・・)

しかしこういうことを知ってしまうと、つい観察してしまいますよね。
我が家のベランダでは毎年軒下に4~5つのジョロウグモの巣が並ぶので、完全に観察対象となってしまいました。

いずれにしても、ジョロウグモが産卵のために巣をはるのは秋の間だけ。
クモはその見ためから苦手な人も多いと思いますが、それほど長い期間ではないので観察しながら見守るというのもひとつではないでしょうか。

とはいえ、玄関先の巣はさすがに私も除去してますけどね。(笑)

関連記事

益虫「アシダカグモ」と暮らす、その生態と共存の日々

テントウ虫と暮らす、懐かしき蜜月の日々

四方山商店をフォローして更新情報をチェックしよう!

▼ Facebookでフォロー(いいね!クリック)


▼ Twitterでフォロー


スポンサーリンク